おふとんの日常

blue-pink-sky’s diary

Nikon Z7 ~今さら本音レビュー~

こんばんは、おふとんです。

開設だけしておいてしばらく更新できていませんでしたすみません。

 

さて、記念すべき(中身のある)最初の記事は機材のレビューとなります。

(超が付くほど長いですが1週間くらいかけて書いたので是非最後まで読んでいただけると、せめて作例だけでも見ていただけると泣いて喜びます。) 

 

私が使用している機材はNikonのフルサイズ一眼レフD750とミラーレスカメラのZ7です。この中でもZ7は最近手に入れた機材でして、そのレビューを書きたいなと思います。

 

私がZ7の購入を考えたとき、当然やったことはネットでのレビュー探しでした。それの評判次第で購入を考えようと思っていました。しかし、

 

なぜかZ7のレビューって全然ネットに上がってない!!!!!(怒)

 

なぜってそれは売れてないからなんじゃないですかとか言わないで

 

正直買うか悩みました。元々Nikonユーザーだったらみんな憧れているはずの[要出典]フラッグシップ(型落ちでいいのでってかそうじゃないと買えません)が欲しかった私は、あるとき友人の熱烈な勧めでZシリーズに興味が湧いてしまいました。そこからがむしゃらに貯金をして、どうせ買うならD750と被らない高画素機を...と思ってレビューを調べたら全然出てこない。これもう売れてない=買わない方がいい機種なんじゃないかとすら思いました。実際Zシリーズは一部玄人の間で売れていて巷ではSONY αとかCanon Rが人気ですし、売れてないカメラを買うのもなあ...とか。

 

でも、Zレンズが出る度にその性能に興味津々な私はPYさんなんかを見ていてどうしてもZレンズが使いたくなり、そうするともうZボディを買うしかないという。なんという罠。

 

で、結局気づいたらZ7が手元にありました。

 

ちなみに今回の買い物はZ7ボディ+FTZ+Z50mmF/1.8Sの三点。

ヨドバシ、キタムラ、マップといろんなお店を総動員して用意しました。

お予算は、上記の三点とXQD(予算が本当に足りなくて一番安いSONYの32GBです)、保護フィルムでだいたい31万円(!)。本当によく貯金したと自分を褒めてあげたいです。

さらに蛇足ですが、今回の買い物のために24-70/2.8を犠牲にしました。仕事用レンズとして持ってないと非常に不安になるんですが、元々自分があんまり標準ズームを好きじゃなかったり、この情勢で単焦点で済まない仕事がなかなかなかったりしてあっさり売り飛ばしてしまいました(この辺の話もいつか書けたらなと思っています)。

 

ということで、前置きが非常に長くなってしまいましたがこれからNikon Z7のレビューをしていきたいと思います。自分のようにZ7を悩んだけどレビューがなくて困っているみたいな人に届けばいいなと思っています。

ちなみにレビューは長いので、必要なところだけ読んでいただけると幸いです。大雑把に最初外観や操作性の話、そのあとは実用してみての作例と感想になります。

 

(注意:当ブログはNikonさんと何の関連もありません、ただのNikonファンが書いております、念のため)

 

<目次>

 1.開封・外観

 2.ボディの外観と操作性

 3.使用感~画質~

 4.使用感~手振れ補正(IBIS)~

 5.使用感~AF関連~

 6.使用感~EVF

 7.使用感~レンズ等~

 8.使用感~モニター~

 9.使用感~バッテリー持ち~

   10.まとめ

 

 

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1.開封・外観

まずは開封をしてみます。とはいえちゃんと開封の儀をしたのはレンズだけですすみません。

DSC_9960

 箱はシンプルですね。

 

DSC_0129

 こんな感じでずっしりとした塊が出てきて....

 

DSC_0138

 !!!!!

新しい相棒が誕生しました。

 

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 フードを取り付けるとこんな感じ。

ちなみに当たり前ですがFマウントのF1.8レンズより段違いに大きいです。

 

DSC_0160

 Sのマークがかっこいい(親バカ)

 

DSC_0199

我が家の単焦点三兄弟。

 

さて、レンズの外観はこんなもんですかね。新品の製品を買ったのはかれこれ3年ぶりで、久しぶりにここまでワクワク開封を楽しみました。

持ってみた感想は、巷でも言われているように従来のF1.8レンズからしたらずいぶん重たく感じます。ずっしりと重量感があります。

個人的には5kg以上する機材一式とか、一本だけで2kg近い望遠レンズとか持ち歩くのでそこまで気にならない点ではあります。

そして作りは相当しっかりしてそうです。さすが7万円するだけありますね。スイッチ類はAF/MF切り替えスイッチのみ。正直標準単焦点レンズでレンズのスイッチ操作することもないので何が付いていようとそこまで重視していません。

あ、あとこれはミラーレス用のレンズなので仕方ないんですが、個人的には距離目盛がないのが非常にやりにくいですね。まずそもそもサードパーティーとごちゃまぜで使ってると右回し左回しどっちが無限遠かわからなくなることがあったり、最短距離にしたいときにどこまで回したら最短かわからなかったりするので。

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2.ボディの外観と操作性

ボディに関しては中古品を買ったので開封とかはやってません。その代わり各所の写真を撮ったのでそちらをご覧ください。

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まずはフロント。

出た当初はずいぶん変なデザインだな、まあRよりマシかなくらいに思ってましたがまあ慣れてしまえば、って感じですね。

 

DSC_0245

軍艦部。

ファインダーを全力で上に突き出しながらマウントがこれでもかと主張するデザイン。これを言ってはおしまいですが、エッフェル塔が嫌いなフランス人が毎日エッフェル塔の中で過ごしていた、なぜならエッフェル塔を見なくて済むからだみたいな話があるじゃないですが、カメラって実用上はフロントを自分で見ることないと思うんですよ、じゃあまあ多少ダサくてもいいかなって...(と自分に言い聞かせています)

 

まあ真面目な話、自分はNikonの一眼レフのデザインがとても好きなので、あと数世代かけてもっとかっこいいデザインに発展するのではないかなあ、と気楽に眺めています。言うほどダサくないしね。

 

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液晶。

これは自分には必須アイテム。メインカメラならこれが付いてないZ5みたいなのは使えないですね。

 

.....って思ってたんです。D750使うと背面液晶が基本OFFになっていてそこでわざわざ設定確認しないので肩液晶で確認していたんですが、Z7って背面液晶がEVF(ファインダー)覗いてないときは基本ライブビューでONになっているので、今はそっちで設定確認することの方が多い気がします。

 

まあでも付いてないとデザイン的にもカッコ悪いしこの方が上位機っぽいので個人的にはあった方がいいです(おい)。

 

DSC_0252

背面。

操作系違うと混乱しますよね。カメラ変えるとだいたい戸惑って慣れるまで時間がかかります。ところがこの子は違いました。

Z7はNikonの中級機以上使ってたら誰でもすぐ使いこなせると思います。

操作系は非常に洗練されていると感じました。

右手で完結する操作系って想像以上に快適で、特に軽いカメラなので片手で扱うようなことが多く、その時に右手だけで操作できるのはとても好感が持てました。そしてボタン配置も個人的には完璧でした。拡大ボタンはいざという時のピントの追い込みに使いやすいし、(自分はAFを親指に分離しているので必須なんですが)AF-ONも非常に使いやすい位置にあります。ジョイスティックも初体験だったんですが、このAF測距点の数だと今までみたいに十字ボタンで動かすのは無理があると思いますし、クリック感とか感度も良好でとても便利でした。

 

DSC_0261

あとはシャッターボタンまわり。

これもNikon伝統の配置で、D5/D500以降の定番配置になっています。

Nikonの上面の配置は使いやすいですよね。某王者C社さんの操作系は非常に分かりにくくて嫌いです。

ちなみにD750はここのボタンが左から露出補正・録画・測光モードだったので、長いこと録画をISOボタンにカスタムしていたのですが今回はその必要がなくなりました。

ただし、操作系で一番不満な点がここなんですが、露出補正ボタンが非常に押しにくい。なんでそこにあるの?って聞きたくなるような配置です。シャッターにかけてる人差し指を不自然な曲げ方をしないとここに届かないんです。

自分は基本的にISOオートで、その作品の雰囲気に合わせて露出補正でISOを調整しているのでこのボタンが押しにくいのは最初戸惑いました。慣れましたけど..。

 

あ、あと自分は動画は撮らない人なので録画ボタンにはAFモードの切り替えをカスタムしました。これ自体は便利なんですがAFモードそのものに問題があるのでそれは後述します。

 

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肩回り。

ここに関しては言いたいことは一つ。

ドライブダイヤルをここに作ってくださいNikonさん。

あれに慣れてしまうとわざわざ選択するのが面倒で面倒で。ボタン押してダイヤル回すなんて面倒です。ぜひここは後々出るであろう機種で改善してほしいところ。ちなみに自分は四葉はあってもなくてもいい派です。だって持ったことないからそれの良さがわからないんだもん(僻み)。でも丸形ファインダーは待ってます。DK-27は神。改造して接着剤でくっつけたいレベル。

ちなみに右手操作系から仲間外れにされた削除ボタンと再生ボタンに関しては再生だけ両手でやればいい話なので別に困ってません。撮影時の設定が全部右なのでそれで満足です。

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外観に関してはこんなところです。ざっとまとめると

・操作性は全体的に素晴らしい

・上に書いてないけどマウント横のFnは本当に押しやすい(自分はよく使うのでプロテクトをカスタムしています。)

・露出補正ボタンは押しにくい

・ドライブダイヤルが欲しい(個人的意見)

 

次は実際に使用してみた感想を順番に述べてみます。

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3.使用感~画質~

Z7を買うならまずは画質について語るべし。

ということで画質について。今まで使用してきたD750と比較したときの体感になります。

 

A.解像力 

百聞は一見に如かず。

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Z7+Z50mm f/1.8S    F1.8 1/640 ISO100

 

 これをPCのモニターで最大まで拡大したものが下になります。

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拡大写真

もうね、なにって、これ開放ですよ?解像力テストとしては開放の写真上げるなんて論外だと思うんですが、でも開放から写りすぎて絞る意味を見出せなくて絞った写真がなかなかないんですね

ここまで細い枝を分離してくれるとは思っていませんでした。恐るべし、4500万画素。

2400万画素機のD750と比べると、写真にかかってたモヤが綺麗になくなった感じがします。もちろんレンズのえげつない解像度が貢献してるのは間違いないですが。

 

B.色

まずはAWB(オートホワイトバランス)。

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Expeed(Nikonの画像処理エンジン、つまり出てくる画を決定する心臓部です)がD750(2014年発売)のExpeed4からZ7(2018年発売)のExpeed6に進化し、それによる恩恵は計り知れないようです。撮って出し(RAW現像などをする前の絵)での”使える率”が夜間を中心に体感4割アップしました。

特にNikonは昔から黄色っぽく転んだり緑っぽく転んだりすることが非常に多かった(それでもExpeed4は大分頑張っていた)ですが、蛍光灯下なんかでの色が変な方向に転ぶ率がガクンと減りました。上の写真なんかはほとんど弄っていないですが、綺麗に壁の白が出ています。

ちなみに自分は白を白として出すことに拘りがあるので、新しく追加されたAWBのモード「白を優先する」「雰囲気を残す」「電球色を残す」は非常にありがたいです。デフォルトで白を優先させて、綺麗な白が出てくる度に喜んでいます。

 

そして感覚の話なんですが、深い色が出るようになった気がします。

赤とか青とか、濃くて飽和してしまいそうな色をよく粘って出してくれるような感じがしますね。まああくまでも感覚の話なのでよく分かりませんが。

 

あと、肌色が随分きれいになりました。Expeed4もネットを見ていると相当黄色に転ぶのを抑えているようだったんですが(D4とD4Sの比較レビューが非常に分かりやすいです)、Z7は後調整が本当に必要ないほど、温かくてちょうどいい肌色を出すようになりました。作例が出せないのが非常に勿体ないですね。

 

C.高感度(後日加筆できたらいいなあ)

体感では厳しく見ればノイズはかなり乗りやすいです。気になるときはISO200でも400でも最大まで拡大したらノイズは見えます。でもそもそも、後述するIBIS(ボディ内手振れ補正)のおかけでSSを落とせるので静物に使う分にはそんなに問題ないかなって思ってます。

ただし動体に使うにはこれまた後述のAFの話もあり、また画素数が上がってブレやピントずれにシビアになってることもありあんまり向いてないのかなあとは思いました。まあ使いますけど。

 

ただし、D750はだいたいISO8000にボーダーラインがあって、ISO8000より上はコントラストの低下、色再現の著しい低下、NRのかかりすぎによる立体感の消失のために使い物になりませんでした。しかし今回夜間使ってみて、D750で使い物にならなかった超高感度が見れる画質で出てきて、非常にびっくりしました。

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Z7+Z50mm f/1.8S    F1.8 1/50 ISO10000

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ISO10000拡大(最大拡大だと逆にノイズが分かりにくかったので最大ではありません)

超高感度は大伸ばしなどには向かないかもしれませんが、このような場で鑑賞する分には十分耐えうるのではないかなと思いました。

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まとめます。

画質について

・画質は非常にいい

・AWBがとても優秀

・白を白として出してくれる

・肌色が綺麗

・高感度はそこまで強くない

・でも超高感度にしたときに全く使えない画質まで落ちにくい

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4.使用感~手振れ補正(IBIS)~

次はボディ内手振れ補正(IBIS)についてです。

ざっと最初に感想を述べると、かなり効きます。ピタッとは効きませんが、確かに効いています。

元々D750は結構シャッター周りがうるさい機種だったと思っていて、それ故かスローシャッターの時ぶれないようにするのが結構大変でした。それに比べてZ7のIBISは、さすがにOlympusみたいに換算600mmでもピタッと止まる!みたいなことはないですが、ぬるっと効いてくれます。これが安心感があってとてもいいです。暗い場所での撮影も上述のように高感度はノイズが気になるのでできないかと思いきや、IBISのおかげで静物なら全く問題ないです。

実際に夜の撮影を何回か繰り返し実験してみたところ、レンズはZ50/1.8でしっかり構えて撮れば1/20とか1/15まで大丈夫だと思います。大きなモニターで拡大してこの結果なので、ブログとかSNSみたいな用途ならもっと下げることができると思います。

 

では実際に作例。詳細は各々書きますが、上からSS1/30、1/20、1/15です。写真の下にピント部の最大拡大を載せておきます。

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Z7+Z50mm f/1.8S    F1.8 1/30 ISO2000

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拡大

 

 

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Z7+Z50mm f/1.8S    F1.8 1/20 ISO2000

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拡大


 

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Z7+Z50mm f/1.8S    F1.8 1/15 ISO900

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拡大

 もう僕が何か語る必要はないんじゃないでしょうか。

 

上の写真でノイズ感もなんとなくわかるかなと思います。個人的にはこれだけ綺麗に写ってるならこれくらいの高感度はアリです。 

 

ちなみに、D750では手振れ補正なしの50mmレンズを付けたら1/50が頑張っても限界でした。

素数が倍近く増えたにも関わらずISOを1段分落とせると考えるとスナップみたいな撮り方にはこれ以上ないメリットだと思います。もちろんそんなに画素数いらないよ!って人はZ6にすればさらに綺麗な夜の写真が手に入るのではないでしょうか。

 

ただし、ここで大事なことなんですが、高画素機はシャッターを切った時のメカのショックでブレます。正直買うまではそんなにシャッターショックがあるとは思っていませんでしたが、メカシャッターでSS1/50くらいで切った写真がブレていたので結構シビアっぽいです。なので自分はメニューの「カスタム」からd5「シャッター方式」で、「オート」に設定しています。オートにしておくと高速シャッターの時はメカ、低速になってくると自動で電子先幕に切り替わります。これに設定してからIBISの効きが如実に感じられるようになったので、購入された際はこのように設定することをお勧めします。

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まとめます。

IBISについて

OLYMPUSほどではないがよく効く(50mmで体感1段+α分くらい)

・上のをよく効くといっていいのかは分からないけど、画素数が2倍になって1段分明るく撮れることを考えると十分

・そして上の1段分は大きなモニターで確認した場合なので小さいサイズでならもっと目立たない

・電子先幕シャッターにしないとブレる

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5.使用感~AF関連~

と、ここまで全体的にポジティブな話を書いてきましたが、ここでネガティブポイントが登場します。巷でよく言われている通りAF関連にはちょっと文句を書いておきたい。

 

A.追尾AFについて

まず、AF性能そのものについて。実は使用してみた感想として、巷で言われているほどダメダメなのかというとそうでもないです。普通の用途で使用している分には全くストレスなく使えるし、たくさん存在する測距点をジョイスティックで動かして理想の構図を組む、特に一眼レフでは機構的に達成できないような画面端にもAFができるのがメリットといえるでしょう。強いて言うなら画素数が増えた分、ピントが合っているのかに対してシビアというか若干ナーバスになりがちにはなりました。

でも、止まっている物体には普通に問題なくAFできますし、ゆっくりと動く人物くらいなら問題なくフォーカスできます。

DSC_0528

↑これくらいの動きものなら楽々フォーカスできる。(レンズはZ50/1.8S) 

 

でも、動きもの(車や電車、動き回る人など)に関しては話は別です。

ここに関して、使ってみた問題点は2つあると思います。

 

まず1つ目、追従用のAF設定がない(正確にはあるけど使いづらい)。

これは掲示板等でよく言われる、Nikon伝統の「3Dトラッキング」というAFモードがないことが原因です。この3Dトラッキングというのは、AF-Cで一点の測距点を選択しておいて、その点でフォーカスしている間、被写体が動いても被写体をロックオンして追尾AFしてくれるという優れものでした。

私はD750を使っている間、AFモードはどんなときもAF-Cで3Dトラッキングを選択していました。これで不便なことがなかったからです。動いていないものを撮っていても、うっかり被写体が外的要因で動いたり、逆に自分が動いてしまったりしたときもピントが外れないので非常に便利だったんです。例えば植物を撮っていても、風が吹いてきて植物がたなびいたらそっちに自動でフォーカスしてくれるので撮影に集中できる。これほど3Dトラッキングしか使っていなかったのに、いきなりそれがなくなってしまい非常に困っています。

でも、Z7には追尾AFが搭載されています。

その使用条件は

・オートエリアAFになっている

・その状態でOKボタンを押す

・フォーカスエリアの枠内に追尾させたい被写体を置いてOKまたはAF-ONを押す

 

これによって被写体を追っかけてくれます。

でもこれが絶妙に面倒。それならオートエリアAFと分離させた方が使いやすいと思うんですがどうでしょう。最初どうやって追尾AF使うのか分からなかったし。

自分は普段ピンポイントAFに設定しているんですが、3Dトラッキングに慣れていた身としてはうっかりそのまま追尾させそうになっちゃうんですね。

それと、追尾AFのときの被写体枠がちょっと大きすぎて、繊細な追尾をさせる気になれないんですよね。ここら辺のことは是非改善してほしい点ですね。

 

次に2つ目。追尾AFの信頼性について。

これはターゲット追尾AFに限らずAF-Cそのものの性能についてですが、巷で言われている通りまだ一眼レフのようには使えません。

D750はAFがあまり優秀じゃない機種で、使ってるとAFモーターの弱さ(?)みたいなものを感じることがありました。それでも必要最低限の追従性能はあり、咄嗟のタイミングでも対応ができました。それに比べ、Z7はまだまだ。

使ってみた感想としては、被写体を追尾するAF性能そのものというより、追従するべき被写体を認識する力が足りないように感じました。車や電車で実験してみましたが、どちらでも「顔」の部分から枠が外れてしまい、側面にピントが合っているような状態でした(車はかなり飛ばしている車だったので単純にピントが追い付いてないのかもしれません)。

 

まあそもそも自分は50単かFマウントレンズ、それも純正の並単焦点サードパーティーのズームレンズしか持っていないので、Z70-200とか買えば少しは違うのかもしれません。

とはいえ、ミラーレスだからといってもうAFが弱くていい時代は終わりました。R6+RF24-70mmF2.8Lで試させてもらったことがあるんですが、この組み合わせは「ミラーレスってこんなもんだよね~」っていう私の固定観念をぶっ壊しました。相当意地悪な状況、具体的には70mmで道路(片側2車線でかなり飛ばしてくる道路)にカメラを向け、走ってくる車がいきなり画面右から画面いっぱいに突っ込んでくる時にいきなりシャッターを全押しして走り去るまでAFで追っかける、というシチュエーションでAFの食いつきと追従を試してみました。するとR6はほとんどの確率で食らいつき、大きくピントを外すことはほぼありませんでした。いやR6(たぶんR5も)やべえ。まあEOS R嫌いなんですけど。

ということで是非追尾AFの改善を望みます

ちなみに自分は電車を撮るときはAF使わない(俗にいう置きピンってやつです)のでまあ今のまんまでも使えなくはないんですけどね。

 

B.瞳AFについて

みんな大好き瞳AFについて。

まず、これ超便利です。プロが使うかどうかは知りませんが、アマチュアの自分にとっては本当にありがたい。友達と旅行したり遊んだり、モデル撮影を頼まれたりしたときに本当に便利。

前にも書きましたがD750はAF貧弱なので、モデル撮影を単焦点でやるだけで普通にピント外しました。いかにしてピント外さないようにAFを設定していかに大事なところを撮り逃さないようにするかが肝みたいなところがあったんですが、Z7にして友達とか撮ってみて、ピントに関して何も考えなくて済むし、ミラーレスの利点として測距点画面全体にあるので顔をどこに持ってきても大丈夫。

人物撮影に関しては撮影の大変さが50%くらい軽くなった気がします。

 

ただもちろん瞳検出は完璧ではありません。よく認識してくれると思いますが、マスク必須のご時世、マスクがあるとうまく検出してくれなかったり、顔認識しか働かなかったりします。

 

あと、個人的にはオートエリアAFでしか働かない(※)のはちょっとマイナスポイントです。だいたいどこら辺に検出してほしい瞳が存在するのかくらいは指定した方がピントを合わせやすと思うんです。あと人が多くいる場で検出してほしい瞳と違う瞳を検出してしまうことなんかもあると思うので、そういう意味でも何かしらの改善が欲しいところでもあります。

それと、瞳の検出はよくしてくれるのですが、そもそもピントが無限遠に飛んでってるときはAFしても一向にピントが合いません。そういうときはピントリングを回して顔の近くまでピントを持ってくると検出してくれます。

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補足ですがZ6II、Z7IIはオートエリアの他、ワイドエリアAFでも瞳、顔認識、動物瞳AFが効くようになりました。

 

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 ↑マネキンも顔認識してくれたが、コントラストの低いのっぺらぼうにはピントを合わせにくいのか、若干ピントを外している(ピントは服や鼻の頭くらいの位置)。

 

C.暗所AFについて

最後に暗い場所でのAFについて。

体感ですが、暗所でのAFはあまり問題はないかなと思います。上のIBISの欄で上げた作例もそこそこ暗い場所での撮影ですが問題なくフォーカスできていますし、下の作例も結構暗い中ですが問題なくAFできました。

DSC_1825

Z7+Z50mm f/1.8S    F1.8 1/50 ISO450

 

 ただ、これも体感ですがローライトAFをONにするとAFが大分遅くなります(当たり前ですが)。自分はそれが嫌でローライトAFは切ってしまっています。そして、たまに少しだけAFを外すので、撮影後の確認は欠かさないようにしています。

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長くなりましたがこの章のまとめです。

AFに関して

・普通に使う分には全く問題ない

静物を撮る分には測距点の狭い一眼レフより便利

・AFのモード設定には不満が残る(追尾が使いにくい、瞳がオートエリアでしか使えない)

・ローライトAFはAFが遅くなる

・瞳AFは便利、信頼もそこそこできる

・普通の撮影ならこれで十分と呼べるレベルに仕上がってる

 

繰り返しますが、動きものを撮らないならこれで十分ですし、人をメインで撮る分にも色も綺麗だしこのカメラはとてもいいと思います。動きもの、特に近距離を高速で通過するようなモータースポーツやスポーツ、鉄道などをメインの方はZ7はお勧めできません。

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6.使用感~EVF

EVF(電子ビューファインダー)についてのレビューです。

DSC_0256

これ便利です。私はEVFがどうも好きになれず、OVFで覗くことこそ写真なんだ!と主張してきました。しかしZ7を購入してみて、考えが180°変わってしまいました。今でもαのEVFは嫌いです。あのジャギジャギしたわざとらしいファインダーは写真を撮るものじゃありません。私は写真を撮るという行為を大事にしています。写真を撮るという行為は単純に目の前の世界をデジタルデータに変換することではなくて、ファインダーで覗き、構図を考え、カメラの設定を合わせ、1枚1枚大切にシャッターを切るという感覚の伴った一連の動作です。出てきた写真だけでなくそれが出てくるまでの感覚も大切にしているからこそ、質のいいファインダーは不可欠です。

このように前置きして、Z7のファインダーはとても作りがいいです

見やすいし、不自然さがありません。あと一度EVFに慣れてしまうと、撮影後の画像が分からないOVFを多少不便に思ってしまうこともあります。ただし画面が非常に広いので眼鏡をかけているとアイピースを取らないと全体を見渡せません

動きものにはちゃんと試していないので何とも言えませんが、OVFも連写中はパラパラ漫画になりますし、現状困るような事態にはなっていません。

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まとめです。

EVFに関して

・作りがいい

・見え方も自然

・眼鏡をかけるとアイピースが邪魔

・動体に使った時の感覚はまだ分からない

全体的に満足でした。

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7.使用感~レンズ等~

レンズについてです。

(注意:この章の前半ではZ50/1.8の画質が素晴らしいことしか述べていないので、急いでいる方は前半は読み飛ばしてください)

 

まずは一緒に購入したZ50mmF/1.8Sについて。

 

DSC_0514

Z7+Z50mm f/1.8S    F1.8 1/5000 ISO64

 上の方で色々書いたのでもはや言うことはないかなと思います。とにかく画質がいい。綺麗に写る。Z7に合わせるならこのレンズは非常におすすめです。

 

私は何でも撮ることができるように最初にズームで24~600mmまでの焦点距離を揃えました。そのあとは単焦点を揃えようと思い、安くて非常に性能のいいF1.8の並単を買おうと思いました。その時に検討したのは35、50、85mm。普通1本目で買うなら50mmなんでしょうが、50mm単焦点で好きになれるレンズが存在しませんでした。強いて言うならZeissのMilvus1.4/50くらいでしたが,、中古品が出回ってないし、一本目でよく使う焦点距離でMFはどうかと思ったし(仕事で使いづらい)、そもそもF1.8じゃなくて新品12万するしでなしだなと思い、結局35と85mmで悩んで使いやすい35mmを買いました。結局35mmは本当にいいレンズで、今でもお気に入りのレンズだし、4日間の旅行に35mm一本で行ってしまうほど信頼してて万能なレンズです。

 

で、話が逸れましたが私は好きになれる50mmが本当になくて(TAMRONの45/1.8VCは惹かれました)、標準中の標準である50mmがずっと不在でした。しかしZの50mmはレビューがすさまじくいいし、作例も好きだし、やっとのことで興味の湧く50mmでした。

 

今回Z7を買うにあたって、最初は中古がたくさんしかも4万台でゴロゴロ転がっているZ24-70/4Sを買おうと思っていました。しかし、悪魔友人の囁きで「でも所詮24-70/4じゃん」と言われてしまい、少しずつ50単が欲しくなり....。でも50単は24-70/4比で3万ほど高く、お金が足りない...!

結局お金は錬金術マップカメラみんな大好きみんなの防湿庫を使うことでどうにかやりくりしこのレンズを購入しました。

 

50mmは非常に使いやすいですね。私の用途がふらふら散歩しながらの撮影が多いので、そういうときに35mmだと広すぎて85mmだと長すぎることが多々あり、そういう場面で非常に便利です。一本つけておくなら(まあFTZ挟まなくて済むので当たり前ですが)このレンズですね。

今からZを購入しようかと悩んでいる方は是非一本目にこのレンズを買ってみると、Zの沼にはまっていけると思いますZの素晴らしさに気付けると思います。

 

そして今まで使用していたFマウントレンズについて。

一言で表すなら画質が落ちました。

これは正確には、今まで満足してたはずのレンズが、Z7につけると粗が非常に目立つようになったので、開放で使えなくなるなどの弊害(?)があった、ということです。

 

例えばAF-S NIKKOR 85mm F/1.8G ED。

このレンズは非常にお気に入りなんですが、ハイライトのきつい条件で使用してみると

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Z7+AF-S85mm f/1.8G    F1.8 1/1250 ISO80

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AF-S85/1.8拡大

 同環境でZ50/1.8を試してみると

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Z7+Z50mm f/1.8S    F1.8 1/1250 ISO64

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Z50/1.8拡大

違いは一目瞭然ですね。もちろんZ50/1.8でも収差は出ていますが、85単ほど派手ではありませんね。

 

他にも、TAMRON 70-200mm F2.8 VC(A009)も、開放では甘すぎて使い物にならず

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Z7+TAMRON 70-200mm f/2.8VC(A009)    F5 1/2000 ISO160

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A009拡大

F5まで絞ってこれ。SSも今まで以上に必要なので自然とISOが上がってしまいます。これはZ70-200/2.8Sを買えっていう神のお達しなのか....(買えません)。

何はともあれ、Z7の高画素を活かすにはそれなりのレンズが必要だということが分かってきました。こうしてNikonの戦略にはまっていくんですね。是非ご覧になってくれてる皆さんもZを買ってレンズ沼に突っ込みましょう!

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必要あるのかわかりませんがこのセクションのまとめ。

Z7につけるレンズは

・Zレンズはとても画質がいい

・Fマウントレンズは甘くなったり収差が目立ったりする

・Zレンズほしい

という感じですね。

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8.使用感~モニター~

徐々に疲れて参りましたがどんどん行きましょう。モニターについて。

特に書くこともないので少しずつ章が薄っぺらくなってきました。

モニターはチルト式のタッチ対応モニターです。D750もチルトであったので、個人的には巷でよくあるバリアングルの方がいい論争には加わりません。チルトでも十分ですただし、チルトはチルトなんですが、D750より可動範囲が狭くなりました。そこはマイナスポイントかなと。ただまあ基本的にモニターはそこまで使わないので許容します。

ただ、ネガティブなポイントとしては、EVFのアイセンサー(EVFとモニターどちらを使用しているかを判断するセンサー)がチルト時に誤作動するときがあります。これはどうにかして反応しないようにしてほしいですね。

あと、これは再現性がないんですがたまにモニターが使えなくなる時があります。具体的には、「モニターとファインダー自動切換え」に設定し、カメラと体の位置もアイセンサーが誤認識しないように一定距離に離しているにも関わらず、EVFモードから戻らないことがたまに起きます。なんでなのかわからないので、ネット等を漁って原因を解明したいですね。

あ、個人的にはタッチパネルは使わないので、むしろタッチシャッターが誤作動するので反応しなくしようかとすら思ってます。まあ使う人にとってはあれば便利だとは思います。

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まとめです。

モニターは

・チルトだが可動範囲は広くない

・タッチパネル対応(個人的には使わない)

・逆に言えばタッチシャッターは割と感度いい

・アイセンサーの誤動作が多い

ってところですかね。

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9.使用感~バッテリー持ち~

噂のバッテリー。

確かにバッテリー持ちは悪いですね。Nikonの一眼レフは元々非常に電池の持ちがいいことで有名です。D750なんて、ライトな撮影なら5回分は電池を充電する必要がありません。連写を多少使用するような撮影で1500枚は撮れます。

 

でもZ7は半日の撮影で電池が心配になります。現状EN-EL15系を3つ持っているので、充電器を持っていけば旅行でも電池切れの心配はありませんが、でも電池を気にしながら撮影するのはなかなか苦痛です。是非大容量バッテリーをお願いしたいですね。

まあそもそもZ7で1500枚も撮ったら160GBくらい食う気がしますけど。

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バッテリーについてのまとめ。

・電池持ちは悪い

・予備バッテリー必須

・だいたい1バッテリーで半日

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10.まとめ

 さあ、長々書きすぎてここまでで15000字弱あるらしい。しかも高感度の欄は後日加筆を考えているのでまた長くなる。ここまで読んでくださった皆様本当にありがとうございます。あわよくばこの記事が悩んでるあなたの最後の一押しになってくれたらうれしいです。

 

結論としてはZ7を買ってよかったです。すごくいいカメラだし、D750からの4年分の進化を感じられました。もちろん手放しで褒められるカメラじゃないことは確かです。でも使っていて嫌だなと感じるような点は一切なく、撮影に集中できるいいカメラです。とても個人的な話ですが、α、特にα9とかEOS R5/6をどうしても好きになれない私には、Z7は非常に合っていると思いました。α9やR5/6はとても素晴らしいカメラだと思いますし、Nikonはあのカメラを超えるカメラを未だに作ることが技術的にできません。それは事実ですが、あの凄まじいAFや連写を見ても、それが写真を撮る楽しさに繋がっているのかと考えると、私はそうではないと思っています。もちろん撮れるチャンスが増えるということは喜びに直結すると思いますが、私は考え方が古いので写真は苦労して撮ったくらいが一番楽しいのではないかなと考えています。Z7はシャッターフィーリングやEVF、撮影を助けてくれる基本性能が非常に高く、購入すれば満足度が高いカメラに仕上がっていると思います。もしも撮影することの楽しさを求めている方がいたら、そんな方にはNikonのカメラがお勧めだと思います。逆に、スペックを一番に重視する皆さんにはお勧めできないカメラだと言えるでしょう。そういう使い手を選ぶ、万能ではなく一癖あるカメラですが、そういうカメラであるからこそ、ハマった時はこれ以上ない相棒になってくれると思います。

 

Z7の良い点

・非常に素晴らしいZレンズとの相乗効果による高画質

・不満を一切感じさせない使用感

・シャッターフィーリング

・高画素でも効くIBIS

静物において信頼できるAF

・便利な瞳AF

・ハイクオリティのEVF

・意外と実用に耐えうる高感度耐性

・素晴らしいAWB

 

Z7のイマイチな点

・バッテリー持ちが悪い

・追尾AFはまだまだ

・AFモードの使い勝手がよくない

・単純に高いXQD(32GBで11000円)

・乗りやすいノイズ(ただし高感度になってからはよく粘る)

・使いにくい露出補正ボタン

・万能ではない

・まだ洗練の余地のあるデザイン

・重いデータ(高画素機共通・RAWからストレート現像したJpeg一枚30~35MB)

 

まとめるとこんなところでしょうか。これからもどんどん使って得意な場面不得意な場面を洗い出していきたいと思っています。その際は是非またお付き合いください。

ここまで非常に長文を読んでくださったあなたはきっと少しでもZに興味がある方かなと思います。なので最後に一言、私と似た用途で使用するならば買って後悔することはありません、Z7IIも出て、これが20万円で手に入るのはバーゲンだと思うので、是非一度量販店で触ってみてください!!

ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!!