おふとんの日常

blue-pink-sky’s diary

免許合宿で得られるもの

こんばんは。私は今紫の701系に揺られながら北上駅にいます。

北上駅ってどこ・・・??一応新幹線の停まる駅らしいんですが知りませんでした。

 

さて、なんで私がこんなところにいるかというと7月末から暇なのをいいことに秋田県大館市に免許を取りに行っていたからです。合宿免許というやつですね。今日普通車MTで卒業検定に合格し無事帰路についたというわけです。

 

今日の記事はそんな僕が合宿免許に行って思ったことを綴るだけ。ただの感想文ですのでいつも通り興味のない方はスルーしてもろて。

 

 

そもそもなんで今合宿免許なのかというと簡単な話、周りはもうみんな1年生の頃なんかに免許取ってしまっており、残された僕と友人1人で「そろそろ取らんと一生取れなくね??」って話して夏に行くことにしたからです。なぜ大館か。それは怠惰で調べるのが遅すぎて空いてるところがそんなになかったからです。まあこれを書いたからと言って個人が特定されることもないでしょうし、仮にされたからと言って別に困ることはないので書いておくと僕が通ったのは秋田北部自動車学校さんでした。

 

www.akita-hokubu.com

 

別に僕は自動車学校から宣伝しろって言われたとかお金をもらってるとかではないです。はい。

 

という感じで初めての秋田県デビューをしたわけですが、普通車MTは合宿だと(最短)16日、1段階と呼ばれる基本的な道路通行のお作法を学んで教習所内をぐるぐる走る段階をやってその後は2段階という少し発展的な内容の座学といよいよ仮免許を持って路上を走り回る段階から成り立っています。1段階と2段階の間には仮免検定というのがあり、この検定(座学の○✕クイズと場内の走行試験から成ります)を受からないと先に進むことができません。2段階の終わりは卒業検定があり、こっちは路上走行の試験(と場内の方向変換縦列駐車)しかありません。代わりに最後地元自治体の免許センターで免許を取得する際に座学の試験があります。

 

16日間、毎日平均で座学2コマ、技能教習(実際に車を走らせるやつ)が2~3コマ、空いた時間に適当に効果測定と呼ばれる学科試験の模擬試験を受けるという生活をしました。朝は遅いと昼前始まりの日も少しはありましたが基本的に8時~10時スタート、そもそも始まりが遅くてもホテルの朝食が8時30までだったので8時には起床。終わりは早い日だと12時~15時終わり、遅い日だと20時終わりの日も何日かありました。お風呂は毎日僕は部屋のシャワーで済ませていたのでサクッと済みました。ホテルに戻る頃にはだいたい毎日疲労困憊。16日間で一番遅くまで起きていた日が1時まで起きていた日。あとは0時半に寝た日が2日ありましたが他は遅くとも日付が変わる前には寝ていました。早い日なら21時半とか22時に寝た日もありましたね。

 

長々と何を言いたいのかというと、本当に規則正しい生活を過ごしたということです。16日間、すなわち半月も秋田で過ごしていたのです。その間にちゃんと8時には起きて朝食を毎日食べ、夕飯を19~21時の間に済ませ日付を跨ぐ前には寝る。こういう生活習慣がしっかり身につきました。何より技能、特に路上入ってからのは本当に疲れるんだ。寝不足で行ったら次の日の学科で眠くなり技能では下手をすれば事故に繋がります。本当に生活習慣には気をつけましたし、そもそも気をつけなくても疲れるのでちゃんとサイクルが出来上がりました。

 

春先からとても暇な1年を過ごし、毎日ダラダラ起きてダラダラYouTubeを見、ダラダラ眠くなったら寝る。こんな生活してたら全く疲れないからどんどん生活習慣がおかしくなります。1日が24時間じゃなくて36時間みたいな感じ。でもそれで生産性がある生活ならまだいいかもしれませんが生産性は皆無。特にやることもやりたいこともなく、勉強などしたくもなく、生活リズムがひっくり返ってると夜はなんだか悪いことをしている気分になって中途半端に何も手に付きません。気づいたらかれこれ年度が変わってから4ヶ月と半分が過ぎていました。

 

今回合宿免許に行き、試験に落ちたくないし先生に怒られたくないし車の運転ができるようになりたいから一生懸命授業を受け、技能で怒られたり注意されたところはしっかりと次回までに改善をし、精一杯自分なりに努力をしました。同じ時期に教習を受けに来ていたすべての人の中で一番真面目に学んだ自信があります。でも終わってみてなぜ自分がそこまで一生懸命だったのかを振り返ってみると、もちろん前述の理由はありましたが途中からはむしろ、勉強が楽しいから、知らないことを知るのが面白いから勉強をしていたように感じるのです。新しく何か技能を身につける体験というのは実は大学生にもなるとあんまり多くありません。もちろんそういうのが好きで進んで学ぶ人もいますが(資格集めが趣味の人など)、大半の人はどんどん保守的になり、今現在自分の知ってること、出来ることの中で生きようとします。新しいことを学ぶにしても自分が今できること、知ってることの延長線上に学問を広げるでしょう。専門を専攻する大学なんてまさにこれではないでしょうか。今回自動車の運転についてのあれこれを学び、小学生や中学生で新しい分野を学んで目をキラキラさせていた頃を思い出しました。もちろん今回の学びには土台として親の33万円があるのですが、もちろん感謝はしつつでも最大限投資は回収できたのではないかなと思いました。

 

もう一つ。

今回の旅は人生で2番目に長い期間に渡るものだったんですが、当然それだけの期間ホテルに滞在し教習所に通っていれば色んな人と知り合うわけです。教習で一緒になった同年代の人たち、教習所の事務の方々、先生方、乗ったタクシーの運転手さん、ホテルのフロントの方、ホテルの食堂のおばちゃん...。近頃はご時世もあって旅行に行くことがあってもなるべく内輪で完結させることを目標にやってきました。旅先で何かや誰かと出会うことを目的にするというか、誰かと旅に行くことを目的にしていた、という感じですね。でも今回本当に久しぶりに旅先で出会った方とゆっくりお話をする機会がありました。もちろん友達と楽しむことを目的とした旅もいいものですが、新たな出会いがある旅は少しそれだけで物事の見え方が変わります。例えば同じカレーライスを出されたとして、それが知っている人が出してくれたものか、どこの誰が作ったのか分からないものなのかで少し味が違ってくるような話です。

もちろんすべての教官が良かったとは言いません。自動車教習所なんて一定数は厳しいが過ぎたり、意地悪な先生がいるものです。それでも優しく、でも必要なところは厳しく教えてくれる先生に出会うと本当に心が温まります。この先生に習えてよかった、そう思えます。最後の最後の教習で、そういうお世話になった先生に偶然当たりましてね、最後に「お世話になりました」って頭を下げたら僕の肩をポンと叩いて「うん、頑張るんだぞ」と一言声をかけてくださいました。

 

正直言うと大館に到着して1日目、初日の初めての実車教習でMT車が全く思うように動かせず、ギアはガタガタするしブレーキはガックンガックンなるし間違えて左足でブレーキ踏むしもうめちゃくちゃでした。しかも教官が本当に怖い先生で、初日の技能1コマ目なのに怒鳴られまくって家に帰りたくなりました。初日からMT車をきちんと動かせる人はいないと思います。それから数日は厳しい先生に当たりがちで半泣きになるまで怒られたこともありました。もうわざと壁に向かって激突してやろうかと投げやりになったこともありました。だからこそ、最初は大館に、教習所に愛着がわくなんて思ってもいませんでした。でも昨日の夜、仲良くなった食堂のおばちゃんと「僕は今日で最後なんです」って話をしてそうして夕飯にすっごく美味しい、味の染みた、温かいきりたんぽ鍋が出てそれを食べているとき、すごく寂しい気持ちになりました。帰りたくないな、と思いました。楽しいことだけじゃなかったし、辛かったときもあったけど、大館で過ごした充実した16日間はここ2年くらいずっと心身共に不調で何かが噛み合わない日々を過ごしてきた僕にとって救世主のような存在でありずっと忘れない大切な思い出になりました。

 

そうこうしているうちに大雨の影響で徐行して遅延していた電車も終点一ノ関に着いて僕は今日のお宿に入りました。僕の長い長い旅も長い目で見れば終点に近づいています。でももう少しだけ、もうほんの少しだけ悪あがきをして土産話を作りがてら逃避行をしてから帰ろうと思います。家に帰って何十万も払ってくれた両親に僕はこの旅行でたくさんのものを手に入れて楽しかったよって全力で伝えるために。

 

明日は中尊寺を見学してきます。おやすみなさい。