おふとんの日常

blue-pink-sky’s diary

さようなら老兵

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<キハ183 特急オホーツク Nikon Z7+FTZ+AF-S70-200mmF/2.8E FL ED VR>

 

もはや2ヶ月前の話であるが北の大地からまた一つ名車が消えた。キハ183。北海道の厳しい大地を駆けるために国鉄が開発した気動車特急であり、基本番台は485系でおなじみのあの顔のレイアウトにスラントノーズと言われるくの字形形状をしていた。国鉄からJR北海道に移行した後は前面のデザインや主にエンジンまわりを一新した500・1500番台(N183系)、更なるマイナーチェンジの550・1550番台(NN183系)が68両製造された。この写真のオホーツク1号の編成は写真の手前から

  キハ183-9560ーキロ182-505ーキハ182-502ーキハ183-8563
という構成であるが、固定編成を用いない(1両単位でバラバラにして編成が組める)気動車の特徴故にこれら4両も製造時期や元の車両はバラバラである。それぞれWikipediaを参照しながら元を辿ってみると、
  キハ183-9560(エンジン換装)←キハ183-4560(ブレーキ改造)←キハ183-1560(1989年製造・NN183系)
  キロ182-505(1986年製造・N183系)

  キハ182-502(1986年製造・N183系)

  キハ183-8563(エンジン換装)←キハ183-3563(ブレーキ改造)←キハ183-1563(1990年製造・NN183系)

というように、両先頭車はNN183系の先頭車として製造されそれが改造・改番されたものであるが中間車はN183系、製造年度もばらつきがあるという何とも言えないカオス。そしてキハ183というと製造初年が1979年でありボロい車両というイメージがあるが(実際外板の痛みは相当なものであった)最後まで活躍していた車両たちは車齢で言えば35歳前後が多かったと思う。それだけ北の大地は厳しいということだろうか。でも引退までの晩年、毎日片道5時間以上の道のりを爆走した特急車両というのもまた他に滅多に例を見ないのではないだろうか。欲を言えばハイデッカーのグリーン車に乗車してみたかったものである。網走まで5時間半弱の車内はどんなものだったのだろう。

特急オホーツクはダイヤ改正よりキハ283系によって置き換えられた。キハ283と言えば特急おおぞらで広い大地に長い編成を傾かせながら爆走する姿が思い浮かぶが転用されたのはモノクラス3両編成。正直オホーツクがそこまで大きな需要があるわけもないのだが、編成も短くなりハイデッカーのグリーン車も消え車両としての面白みはかなり薄れてしまった。何よりキハ283に3両は似合わない。それでもキハ183の意思を継ぐ車両であり、また北海道のJR世代特急の中ではキハ283が一番好きなのでいつかは山奥まで出向いて記録をしたいものである。

ちなみに余談であるがこの写真の撮影地は定時だと40%くらいの確率で対向の上り普通電車に被られるのだがこの日は偶然にも上り電車が鹿との接触で遅延中、ギリギリまで抜けきらない陰には本当にヒヤヒヤさせられたが、これもまた偶然にも快晴というこれ以上ないコンディションで撮影が叶った。前回5月にもここを訪問しているのだがその際のオホーツクの写真は没となり今回こそはと気合を入れていたが3月ということで背景の冠雪もいい具合でこの上ない記録となった。