おふとんの日常

blue-pink-sky’s diary

こわいゆめをみた

時間帯はよる。くらい会議場でわたしは決断をせまられていた。戦争するかしないか、そんな重要なことをきめなければいけない。まわりのおとなたちの視線をあびながらわたしは結論をださねばならない。議場のまんなか、ひときわたかい台のうえでわたしは缶ののみものをぐいっとあおりマイクで結論をのべる。

 

「戦争をします。」

 

 

もうすこししたら戦争がはじまる。宇宙人による侵略がはじまる。そうなったらいつでも死の恐怖ととなりあわせ。両親とともに荷造りをはじめるが問題がひとつ。

 

わたしの兄は宇宙人だったのだ。

 

彼は宇宙人だからわたしたちとは一緒にこられない。あと30ふんもしたらわたしたちは敵どうし、にくみあう存在となってしまう。なにを荷造りしたらいいかわからないわたしは家中のものをかきあつめてきて海外旅行ようのスーツケースにすべてつっこむ。でも荷造りがおわるとそれは兄とのおそらく一生のわかれを意味する。侵略がはじまったらたぶんもうあうことはかなわない、それはなんとなくわかっていた。三脚、大量の下着、なぞのエコバッグ・・・いろんなものをつめこんでいき最後にパソコンをつめようとしたら充電コードが断線していた。これは大切に電池をつかわないといけないだろう。

 

料理やをやっていた我が家では最後の客がたべなかったとんかつをみんなでわけた。両親はまるでわかれをおしまないかのようにはやく身支度をおえた。わたしはいつまでもわすれものがないかを確認していた。両親や兄にもらったおまもりもぜんぶ荷物にいれた。兄はわらってくれていたがわたしはたえられず涙があふれてきてとまらない。両親が私に時間だと告げいよいよ出発のとき。車にのりこんでエンジンがかかる。最後に兄が「これ、もっていきな」とヘルメットと貯金をわたしてくれる。

「だいすきだよ」

「ぼくもだいすきだよ」

 

くるまが出発するとどうじに空からすさまじい音がした。低空でとんできた飛行機が火花をちらしながら通過していったおとだった。そのまま戦闘機はわたしたちの後方に墜落したようだった。ああ、こんなふうにしていきている人類はあぶりだされるんだな・・・とおもった。まず出発したわたしが提案したことはなるべくガソリンを温存すること、それと田舎にむかうこと。ながくいきていくためにはガソリンが必要だろうし、空から戦闘機がふってくるなら人口が密集しないところのほうがいきのびられるはず。北関東をめざしてゆきのちらつくなか車はすすむ。

 

到着したのはみどりいろの屋根の倉庫みたいなスーパー。ここにはすでに結構な人がいるみたい。奥まですすむとそこは北朝鮮との国境線。このまま北朝鮮にすすむか話し合った。このままタイにぬけるという母親の案もあったが結局もどることに。店内をいりぐちまでもどるとカートをおした店員さんのすがた。「最後のうりきりだよ~!」とカートには割引商品が。母親が52円の磯辺餅をてにとると、家からもってきていた抹茶のまんじゅうを店員にてわたす。物物交換らしく店員はそれが321円になるという。

 

店をでてくるまにもどる。店のまえはひらけた駐車場。そこをあるいていると上空から不穏なおと。3機の戦闘機がとんできているおとだった。これはまずい。そう直感して全力で空を凝視する。数秒あって空に3つのひかりの筋。それを目でおいながら「ひだり、ひだり、みぎ・・・!」とつぶやきながらみぎへはしる。しかし高速な物体をただしくおえるはずもなくわたしの予想とはちがう方向へいく。きづいたら両親のほうへ一直線にすすんでいるではないか!これはまずい、全身の筋肉が緊張してうごけない。

 

どかーーーーーーーん!!!!!!

 

無機質な金属音をたてて戦闘機はわたしの後方10mにおちた。結局両親の頭上1mをかすめただけでだれにも被害はなかった。でもわたしはもう限界だった。

 

「もう、こんな世界、生きてる方がつらい・・・助けて・・・!!!!!!」

 

 

 

次の瞬間気付けば僕は布団の上だった。一瞬何があったか混乱したが今までのはすべて夢であったことを理解した。夢で良かった、そう思うより先に本当に夢だったのか、本当に放心状態で何も考えられない。鼓動は速く全身から汗が吹き出していた。Twitterを開きトレンドに「宇宙人」「侵略」がないことを恐る恐る確認する。両親の寝室を覗き二人ともちゃんとそこにいることを確認する。本当には兄に電話をかけたかったが流石に深夜3時半には迷惑だと冷静になってやめる。頭が痛い。せっかく昨晩はとてつもない睡魔に吸引されるように眠りに落ちたのに寝不足だし何より人生の中でもものすごく不快な気分。頭を冷やさないと同じ夢を見そうで眠れない。悪夢にうなされるなんて小さい頃はあったがこの歳になってこんなことがあるなんて...。本当は両親を起こしたいが父親が仕事で朝早いのに今起こしては寝不足になってしまうので頭を冷やしたら僕ももう一度睡眠の世界に誘われよう。でも本当に、戦争は良くない。毎日さっき見たような命が刈り取られる瞬間が世界の何処かで起きているなんて、気が狂いそうな事実だ。もう本当に、せっかく爆睡できると思っていたのにやめてほしい。こうやって頭を冷やすために思い出せる限りを文字に起こした。こうしている間にかなり頭は冷静さを取り戻したかな。両親の声を聞いてから寝たかったけど、仕方ないか。お願いだからこの夢の続きは二度と見たくない。頼むから夢なんか見ずに熟睡させてほしい。ああ、もう一回寝に行くか...。おやすみなさい...。