おふとんの日常

blue-pink-sky’s diary

ステンレスお弁当電車

 

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<北陸鉄道浅野川線8000系8802編成 Nikon Z7+Z50mm F/1.8S>

 

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<北陸鉄道浅野川線8000系8802編成 Nikon Z7+FTZ+Tamron15-30mm F2.8VC>

 

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<北陸鉄道浅野川線8000系8802編成 Nikon Z7+FTZ+AF-S35mm F/1.8G>

 

新幹線開業以来北陸地方1の観光地の座を揺るぎないものにした金沢にはローカル私鉄が2路線走る。どちらも観光地とは無縁な地元の路線でそれぞれ北陸鉄道浅野川線石川線である。金沢の中心地から少し離れたところを走る石川線に対し、ターミナル駅金沢駅から出発するのが浅野川線。終点の内灘までわずか15分ちょっとを各駅停車でのんびり走る。沿線は大きな建物こそないがずっと住宅が立ち並ぶ。そんな浅野川線を今まで約25年支えてきたのが元井の頭線3000系、北陸鉄道8000系である。全5編成が譲渡されオリジナルカラーであるオレンジになって活躍してきた。29年に渡って145両が増備された井の頭線3000系の譲渡例は非常に多く、北陸鉄道岳南鉄道伊予鉄道上毛電鉄アルピコ交通にて未だに活躍している。

その中でも北陸鉄道に譲渡された3000系には1次車が含まれていることが特筆される。3000系の1次車は第1、第2編成の2本でありその後の車両とは片開ドア、幅の狭い車体を採用している点が異なる。見た目もその後の編成とは大きく異なるこの2編成はそのまま2本とも北陸にやってきて今日まで住民の足として活躍してきた。1962年製造であるため、今年でちょうど60歳ということになる。同じ3000系といえども例えば伊予鉄道に譲渡されたのは最後まで残った後期編成でこれの製造は1983年から、つまり歳が二回りくらい離れているのである。

北陸鉄道はこの8000系を東京メトロ03系で置き換えることを発表しており、いよいよこの8800番台(3000系1次車2編成)にも終焉の時が近づいていた。そんな中8802編成を京王時代のアイボリーに復刻することが決まり、今年7月上旬から運行していた。しかし復刻後わずか2か月半後の9月下旬にこの8802編成が引退することが発表され、気が付いたときには余命半月に。そんな時に友人がどうしても一目見るために弾丸金沢遠征をするという話を聞き、同行させてもらうことに。公開されている運行スケジュールを元に日程を組みフリー切符を買い撮り鉄だらけの北陸鉄道に乗りながらロケハンをし最後の雄姿を記録してきた。こういう機会でもないとなかなか乗車する機会もないだろう浅野川線に乗ることができてよかった。やはり時代は地方ローカル線、古い電車が老体に鞭打って一生懸命走る姿は格別で、またそれを日々一生懸命整備する整備士のことを思うと頭が上がらないのであった。

この旅でローカル線熱に火がついてしまい、ローカル線の架空の撮影行程を組んでニコニコする毎日がしばらく続いているのだがそれはまた別の話。