おふとんの日常

blue-pink-sky’s diary

希望のオレンジ

 

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<JR東海211系5000番台LL15編成+313系8000番台S5編成 Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

皆さんは青春18きっぷをご存じだろうか。まあこのブログを読んでくださってる皆さまは結構鉄分が高めな方が多そうなのでご存じの方も多いのではないだろうか。長期休暇の時期に5枚刷りで発行される日本全国JR線普通列車が乗り放題12000円というぶっ壊れ切符である。かれこれ僕も今まで3回か4回ほどお世話になったことがあるのだが、なぜか18きっぷと言えば東海道線の旅である。東京から大阪や神戸、はたまた山陽本線まで行って岡山や下関に向かうのが比較的王道とされているのではないだろうか。実際、東京近辺をかなり早い時間に発車する東海道線の車内には明らかに18きっぷ利用者、通称18きっぱーの姿が多々見られる。そんな東海道線18きっぱーにとって関門となるのが静岡区間であることは非常に知られている。JR東日本区間は15両で申し訳程度のボックスシート付、座れなくてもまあまあ速いので許せる。名古屋区間(浜松か豊橋~大垣)はJR東海ご自慢の転換クロスシート装備の313系が新快速(New Rapid Service)か特別快速として爆走。これは一度乗ると惚れるので乗ったことない方は是非。朝方の米原直通の快速を捕まえられればいいものの昼間に名古屋を通過すると大垣で降ろされ米原までは各駅停車の旅。ここもまた苦行ではあるのだが今回は割愛。米原から姫路や播州赤穂までは今度はJR西日本の誇る爆速電車新快速(Special Rapid Service)。223系1000番台が来てしまうとなかなか悲しいがそれ以外ならかなり快適に旅を楽しめるだろう。

さて、熱海から浜松までの間はどうだろう。来る電車は211系5000番台か313系。当然のように211系は全てロングシート313系は3000番台か3100番台の28両(セミクロス)以外は全てロングシート313系ロングシート車が99両を占める上上記のセミクロス車は限定運用なので静岡で電車に乗るとほぼ全てロングシートであった。しかも静岡地区は案外長いのである。東海道線はめちゃくちゃ大きな駅はそこまで多くなくても中くらいの駅を結びながら長い長い静岡県を横断している。被写体としては211系は好きだが乗り心地はまあノーコメント、ひどいときなんて211系3両とかで来るときもある。20分に1本は走っているがまあまあ人も乗っているため座れないのも結構よくあること。18きっぷの長い長い旅の序盤で211系に延々と揺られるのはなかなか先が思いやられ憂鬱な気分になるのであった。

ところが時代はJR東海がいよいよ超大量量産兵器313系の製造をやめ新型車315系を製造したことにより変化を迎えた。なんと泣く子も黙る超豪華車両313系8000番台が名古屋地区でセントラルライナーとしての役割を終え、315系の玉突きで静岡にやってくることになったのである。セントラルライナー(便宜上これは車両のこと)は名古屋地区の新快速用313系と特急用373系を足して2で割ったような車両。モケットが豪華仕様の転換クロスシートを搭載しデッキもどきがあるという、本当に特急と快速の中間仕様である。つまるところ、この8000番台S編成が静岡にやってきたことより長年ロングシート天国(地獄)だった静岡地区は運が良ければ豪華仕様クロスシートに乗ることができるというところまで地位が上がったのである。

鉄道オタクとしての目線から語らせてもらうと、言うてもS編成は所属が6編成しかおらず運用範囲も熱海から豊橋までと非常に幅広いため乗るのはなかなか困難であり(ただし固定運用なので狙えば可能)、またJR東海は211系と313系を併結させる際は基本的に211系が名古屋寄りにつくため撮影の機会にも恵まれないという、なんとも絶妙なありがたみではある。かく言う僕は静岡地区を昨年6か7回ほど利用したが8000番台車はいつもすれ違うだけ。唯一乗れそうなタイミングが訪れたのは台風で東海道線の一部区間が運休になった後、運転再開第1便として走る3両単独の8000番台であった。平日の帰宅時間であったことも相まってギュウギュウに詰め込まれたこの車両を見て、この時ばかりは勘弁してほしかった(結局乗るのは諦め次発にした)。いつかはちゃんと、なるべくはロングラン運用に乗ってみたいものであるが、人間の心理は面倒なものでせっかくなら運用を調べるのではなくたまたま出会いたいと思ってしまうのである。まあいつも乗るのは乗り心地の悪い211系なんですけどね。

いつかは僕も静岡地区の希望のオレンジ色に偶然出会えることを祈って。にしても写真の鉄橋、随分とレトロな見た目の橋が残ってるもんだなあ。