おふとんの日常

blue-pink-sky’s diary

色違い

 

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<小田急3000形3086編成 Nikon Z7+FTZ+AF-S70-200mmF/2.8E FL ED VR>

 

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<小田急3000形3091編成 Nikon Z7+FTZ+AF-S70-200mmF/2.8E FL ED VR>

 

色違いネタをもう一つ。上と下の写真は見ての通り同じ形式の写真だがよく見ると帯の色が違う。皆さんはどちらが好みだろうか。僕は断然下である。ちなみによく話す友人とは全くいつも好みが合わずこの話をした時も意見は真っ二つであった。

さて、小田急3000形というと知る人ぞ知る大量破壊兵器。2001年度から2006年度の間に(編成単位の)増備が行われその後もなんと後継の4000形の製造後も中間車が延々と増備され最終的には第10次車まで、346両が在籍しているという車両である。2000年代に製造された車両は大手私鉄、JRのどちらにおいてもまとまった数を大量に製造し旧型車両をまとめて置き換えるという、標準化と統一化の思想の下で作られたものが多い。この車両も例外ではなく、当時在籍していた2600,4000,5000,5200,9000形を置き換えるために製造された。しかしその実際は標準化とはかなり離れているように見え、10次車に至るまでに目立つ箇所から細部まで、多くの箇所が仕様変更されている。

次車ごとの差異はWikiを見ていただくとして、特筆すべきは10両固定編成の存在だろう。3000形登場前の小田急では1000形の10両編成4本を除き(需要、使い勝手、箱根登山線直通を考慮して)最大でも8両固定編成までしか存在していなかった(その当時で8コテが存在したのは2600形と2000形、1081編成、そして4+4の半固定の9000形)。実際製造時にはローカル運用または他形式と組んでの優等運用に就く6両編成と各停運用に入る8両編成という感じで棲み分けが出来ていた。しかし様々な理由から10両固定編成の方が必要だと分かり、新しい編成から順次10両編成化が行われていった(理由は様々考えられるが連結相手の旧型車両の減少、中間運転台による定員減、箱根湯本優等の消滅などが考えられるだろうか)。まずは最も新しかった8次車(6両編成)から始まり、最終的に3091から3095までの5編成が誕生した。そして年度が進むにつれ小田急では10両固定編成を更に増やし併結による10両をなるべく淘汰する考えとなったため、8両編成も新しい編成から10両化が行われることとなり3080番台の車番で3081から3087編成までの7本が誕生した(複々線完成による10両編成運用の増加、それに伴う8両編成の必要数の減少が理由としては挙げられるだろう)。

話が長くなったが上にあげた2枚の写真はそれぞれ3086編成と3091編成であり上述の通りこれらは成り立ちが異なる車両である。小田急では4000形の登場時に元々帯色として採用していたロイヤルブルーから新たにインペリアルブルーを採用した。これ以降既存の車両(2000形と3000形:1000形は更新時に実施)も帯色を変更することとなった(もっとも、小田急はいつも中途半端なので9本しかいない2000形ですらまだ旧帯が残っているのだが)。3090番台車が10両化されたときはまだロイヤルブルーを採用していたが、3080番台車が登場した時にはもう新帯を採用していたので3080番台と3090番台で帯の色が異なるのである。ちなみに、とても遅いペースで進行していた帯の貼り替えであるが気が付いたら3000形の6両編成はほとんど終わっているようである。

ここからはただの個人的な感想なのだが、小田急に乗車すると体感(優等なので)8000形15%、1000形(更新)10%、3080番台20%、3090番台10%、4000形5%、5000形40%くらいで各形式に当たるのだが、3080番台が来るとハズレ車両感がすごい(8000形もハズレ)。3090番台は8次車(と7次車)をベースに作られているのに対し、3080番台は5~7次車がベースである。実のところ5次車と8次車でも製造年度は1年しか変わらないのでそんなに差はないはずなのだがフルカラーLEDと3色LEDの差は気持ち的に大きくすごくがっかりしてしまうのである。それに3090番台が出た当時はまだ新車感があったが3080番台が出てきたときには「またか...」という気持ちの方が強かったのもある。

小田急に乗車する際には1000形更新か5000形が来てくれるのが一番、次点は2000形か3090番台というのが僕の感想。5000形は撮る分には大変嫌いであるが乗る分には本当に素晴らしい電車。あれや1000形更新に乗ってしまうともう8000形なんて二度と乗りたくなくなってしまう。この車内格差、どうにかならないのだろうかなんて書きながら各地の私鉄を乗っているとこれがまったく贅沢な話であると理解はできる。関東の中にもホコリ舞う古臭いオリーブ色の床材の車両がゴロゴロ走っている会社や50年ランナーの横揺れ縦揺れ斜め揺れ全てがひどい車両がまだ幅を利かせているような会社もある。小田急は全体的な車両の新しさで言えばライバルがいないのではないかというくらい質が高い。まあでもともかく、乗る分にはいいが3000形と5000形しか来ない今の小田急は本当に撮っていてつまらない。VSEまで消えてしまったらもういよいよおしまいである。早くまともなデザイナーを雇ってくれないだろうか...。