おふとんの日常

blue-pink-sky’s diary

ステンレスの輝き


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<上毛電鉄700型711編成 Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

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<上毛電鉄700型717編成 Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

突然だが上と下の写真、どちらの方が格好良いだろうか。色の好き好みはあるにせよ、僕は断然上だと思う。それは写真を撮った時から漠然と感じていたことであり、しかしなぜそう思うのか説明が出来ないことでもあった。

何となくであるが、下の717編成の方がのっぺりとした仕上がりになっているような気がする。もちろん細かく見るとクーラーが分散か集中かという差はあるが、それ以外にも差がありそうな気がしていた。そこで調べてみると実は顔の下半分が、上の711編成ではステンレス製、下の717編成では普通鋼製であることが分かった。材質の違いが写真で見たときの輝きの差となって、それが何となくの違和感の正体だった、という話である。

元をたどると(もはやこの車両が京王からの譲渡車であることは割愛するが)上の711編成をはじめとした上毛電鉄700型の大半(在籍8編成中5編成:711-714,718編成)は京王で活躍していた時からの先頭車を組み合わせて組成されており、715-717編成の3本は中間車からの改造だという。中間車に運転台を増設した際に元の先頭車同様、上半分の「色」の部分はFRP製で作られたそうだが、下半分は普通鋼となったらしい。ちなみに細部を観察すると、顔面窓下、通風孔が元からの先頭車には備わっているが改造先頭車には付いていないという差異もある。

この京王3000系は元の数の多さ、製造年度の長さ、更新有無の差異、そして譲渡車の多さからかなり趣味的には奥が深い電車となっているようで、例えば先ほど顔面の色の部分はFRP(プラスチック)製であると書いたが更新車の譲渡車、つまり伊予鉄道3000系では京王時代の更新の際にFRPから普通鋼製へと取り替えられているらしくこんな差異もあるらしい。

このシーズンたった2回の訪問だった上毛電鉄だが、この700型は本当に格好が良い。オリジナルのスタイルを感じさせながら手ごろな短編成、編成ごとの色の違い、撮影地の豊富さ。個人的にはフィヨルドグリーン(上の711編成)が最も似合ってると思うが、それ以外にも714編成のサンライトイエロー、718編成のゴールデンオレンジなんかもとても似合っていると思う。上毛電鉄は8本所属平日は1日6運用、土休日や平日日中は5運用で賄っているが未だ5色しか集められていない。どうにかして全色コンプリートしたいと思う一方、どうしてもステンレスの輝きを放つオリジナル車が来てほしいと願ってしまうのは仕方がないことだろうか。