<紫陽花 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
こんにちは、おふとんです。
本日は僕の相棒Nikon Z7に新たなレンズが増えたのでそちらのご紹介をしようと思います。その新たなレンズとは...
NIKKOR Z28mm f/2.8
です!(冒頭でネタバレしてるやんけ)
こちらのレンズの細かいスペックは下のリンクを参照してもらうとして、ここではざっと特徴だけを挙げていきたいと思います。
ちなみにいつもの通りの長文なのでめんどいところは読みたくないよ~!って方は是非4の作例だけでも見ていってくださいな。
1.スペック等
21年12月、Nikon Zシリーズに誕生した高コストパフォーマンスのパンケーキレンズ(カメラ用語で薄っぺらいレンズをパンケーキレンズと呼びます)。画角は28mm開放F値は2.8ということでそこまで際立ったスペックではありませんが特筆事項としては最短撮影距離が撮像面から19cmと極めて寄れることが言えるでしょう。ちなみにこの19cmというのは撮像面、つまり撮像素子(=センサー)面からの距離なので実測したところ被写体からレンズ先端までの距離(ワーキングディスタンス)は12cmほどでした。ちなみに最大撮影倍率は0.2倍らしいですが僕にはイマイチピンと来ないので割愛。
フィルターサイズはΦ52とこれはAPS-Cのキットレンズ18-55mmレベルの小ささ。そして重さはなんと155g、長さは43mm!!!相棒Z7が公式サイト曰く675gなので足しても830g。本当に軽いですこれ。僕はよくポーチ一つで出掛けるのですがそのポーチに財布、小銭入れ、モバイルバッテリー、Z50/1.8S、500mLペットボトルを入れた上に28mmを付けたZ7が入ります。
正直この軽さは反則ですね。Zはでかいとか重いとか散々言われていましたがこれなら全く持ち歩きが苦になりません。機動力を活かしたい撮影にはめちゃくちゃ向いてます。
2.購入動機や開封の儀
僕がなぜこのレンズを購入したのかについて軽く記しておきます。僕は現在Z7にネイティブのレンズはZ50/1.8Sのみ、その他に
Tamron15-30/2.8VC
(Tamron24-70/2.8VC)
AF-S 35/1.8G
Ai-S 50/1.2
(Tamron70-200/2.8VC)
AF-S 70-200/2.8FL ED VR
Sigma150-600C
を使用しています。括弧付きは使用していないレンズです。標準ズームというものが嫌いなので24-70なんて数えるくらいしか使った記憶がありません。僕がメインで使用するのが35単と50単の2本、電車を撮るときなどは70-200を持ち出しますし旅行などでは15-30を使います。このレンズ構成の問題点は
1. 重い!!
2. デカい!!
3. FTZ邪魔!!
4. 35より広い画角が出目金の15-30しかない!!
という点でした。そんなことを悩んでいたら直近に部活の合宿があるではありませんか。しかも別件で友人のカメラ選びを手伝っておりヨドバシカメラを訪れる機会も。さらにはちょっとした臨時収入もあり。こんなに好条件が揃ってしまったら買うしかねぇ!ってことで合宿前日の夜に28mmをお持ち帰り。
<Z28mmF/2.8 Nikon Z7+FTZ+AF Micro-NIKKOR55mmF/2.8>
実は僕のカメラ史の中で新品の購入はそこまで多くなく、最初の一眼レフD5300とキットレンズ、DX55-300、D750、Sigma150-600C、Z50/1.8Sが新品でしたがこれ以外は全て中古品でした。こうやって書くと結構買ってるやんけ!って思うかもしれませんが最初のD5300を買ったのなんてもう9年とか前のことなのでその長い間で6回と考えると少ないですね、少ないですよね、少ないよね...?いつの時代も新品の開封はワクワクします。が翌日から合宿で8時起床だというのにこの時点で支度進捗0%、時刻は0時半。
<Z28mmF/2.8 Nikon Z7+FTZ+AF Micro-NIKKOR55mmF/2.8>
もはや何か分かりませんが一応レンズです。
<Z50mmF1.8S Z28mmF/2.8 Nikon Z7+FTZ+AF Micro-NIKKOR55mmF/2.8>
単体の写真をすっ飛ばして50単との並び。時間が無くて焦っているのがよく分かります。外観で言えばさすがに8万円のレンズとは作りが違うのがよく分かります。フォーカスリングの質感は圧倒的に28mmの方がプラスチッキーですし、筒の部分も50mmの方が丈夫そうに感じます。また50mmにはAF-MF切り替えスイッチが付いていますが28mmにはスイッチ類はなし。AF-MFやVRを切り替えたい場合はボディで行うことになります(VRに関しては50mmも一緒ですが)。
でも50mmも性能比で言えば圧倒的に小さいと思いますがそれにしても28mmの小さいこと。あと前玉がとっても小さいのでフィルター等なしでも傷をつける心配が少なく多少雑に扱えるのもいいと思いました。見ての通り僕は機材の外装に関しては扱いがかなり雑です。内部への衝撃や埃の侵入等の写りに関わる部分はものすごく大事にしていますがハッキリ言って外装がどんなにぼろくても写真には影響がないので。
3.簡単な作例と性能確認
<作例 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
さて開封したところで一枚。F2.8開放、SS1/40、ISO450での撮影です。暗い室内での手持ち撮影なので手振れなどの影響も引き算して参考程度に見てください。また厳密に平面に対して平行に撮影したわけではないので隅の画質はこの写真では見ないことにします。これをピント位置であるドアノブ上のねじが画面いっぱいに写るように拡大したのが下になります(=等倍などの倍率で拡大したわけではないので悪しからず)。
さていかがでしょう。個人的には3万円の軽量レンズがここまで写るなら満足以外言うことがありません。次は前ボケと後ボケのチェックでもしてみましょう。
<作例 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
<作例 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
かなり前後どちらもスムーズなのではないでしょうか。どちらの作例もF2.8開放での撮影です。ボケの評価に関してはレンズの評価においては個人的に最も好みが出るところなので良いとか悪いとか明言はしませんが、僕はこれだけ綺麗なら満足です。そもそも28mmという画角で大きなボケを作るのはかなり意図的じゃないと難しく日常的にこんなにボカすことはないでしょうし。
ちなみにこの作例の2枚目はかなり最短まで近づいた気がしますが、近接の撮影に関してだけ補足。このレンズはZ50mmのような優等生レンズというか少し"面白い"レンズであり、近接の開放は少しふわっとします。体感開放F2.8~4くらいまでは緩めに写りそれ以上は大分線が締まってくるイメージです。ただしこれは最短撮影距離での話であり、多少被写体と離れることで一気に開放から写るようになります。フリンジは出るときは後ボケに若干青系が乗るかな?という感じです。
本当はマイクのピント位置の拡大を載せたいのですが集合体なのでやめておきます。
4.作例
さてお待ちかねの作例の時間です。
<F/4 SS1/320 ISO64 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
お台場周辺のビル街。遠景の解像度作例としてどうぞ。当ブログの写真にしては珍しく絞った作例。さすがにレンズのレビューで開放ばっか載せたら偉い人に怒られますからね。下に拡大も載せておきますがもはやこのサイズだとどこの拡大なのかすら分からなさそう。4500万画素×高画質レンズ恐るべし。ちなみにこのレンズは電子的な収差補正プロファイルが自動で適用されるので現像時にいちいち歪み補正をかける必要がありません(他のレンズもカメラで自動補正ONにすればいいんですがこれはただの宗派の問題です)。
<F/2.8 SS1/6 ISO1600 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
前ボケ調査隊。ちなみにこのレンズを使用して思ったネガティブな感想は暗いってこと。2.8は明るいんですが暗いんです(意味不明)。普段1.8のレンズを使い慣れているのでいざというときにこれ以上絞りを開けないというのは結構デメリット。とはいえF4の便利ズームとかと比べたら1段分有利なので明るいという表現も正しいんですが。
<F/5 SS1/250 ISO320 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
28mmはストリートスナップにちょうどいいと聞いたことがありますが使ってみると確かにうなずける画角。見た物をちょうどすっぽり収められるのが28mmだなと思います。
<F/4 SS1/50 ISO1100 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
28mmの画角は35mmだと長いな~っていうときに大活躍します。テーブルフォト的なサムシングとかも28mmはお手の物。お料理なんかも35mmだとテーブルの上でチルト液晶を展開して手を伸ばして...だったのが28mmは余裕で撮れます。
ピントピークあたりの拡大がこれ。F4と少し絞っていますが近接撮影なので50単のようなSラインのレンズと比べたら少し甘め。とはいえそれが現実的に問題になる場合はそこまで個人的には多くないと思います。解像度が重視される状況では遠景が多い(最初の作例のマンションみたいな)のに対し、そこそこな近さで撮る被写体は人物や料理、小物などといったそこまでバキバキでなくて困らないものが多いという印象。
<F/3.5 SS1/320 ISO64 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
近接なので少し絞っていますが後ボケの確認。まあ良くも悪くも広角の近接っぽいボケの感じですね。でも鬱陶しい感じや気持ち悪い感じではないと僕は感じるので、これならボケを活かす撮り方もいいなと思います。参考までにこちらも拡大を載せておきます。
これをどういう風に捉えるかは人それぞれですが個人的にはこういうレンズは大好きです。AF-S35/1.8Gは結構こういう感じのレンズだったのでそれを思い出してなかなかいいですね。
<F/4 SS1/800 ISO64 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
逆光の作例も。結構厳しい条件でも逆光には強そうという印象。そもそも近代的ボディに近代的レンズで育った僕としてはそんなに逆光に弱いレンズを見たことがないのですが。強いて言うならΣ24-105/4aとかはそこそこゴーストフレア出ましたが、Zレンズにそんなことがあるわけもなく。
<F/3.2 SS1/200 ISO140 Nikon Z7+Z28mmF/2.8>
最後にこんな作例も。これもまた正確に平面に対し平行ではないのですが参考までに。
↑中央部の拡大
↑隅(左下)の拡大
厳密にやるならば四隅全てを見なきゃダメですし諸々甘い比較ですがまあ大目に見てもらって。
5.総評
Z28mmF/2.8を購入し使用してみて
・良い点
小さい・軽い・Z7との組み合わせで小さなカバンの隙間に入る・遠景での画質が十分・日常的に使いやすい画角・雑に扱える小さな前玉・近接時の綺麗なボケ
・そこそこな点
(Sラインに比べたら)そこそこな画質・(人によっては気にする点として)自動補正が切れない・近接でふわっとする画質・四隅は若干甘め・(1.8単に比べて)暗い
という印象。正直に言うとカメラオタクで大きなモニターで画像を確認するような方がZシステムを導入する際の1本目としてはあまりオススメしません。なぜなら単純にもう少し(少しと言っても2~3倍しますが)出してSラインのレンズを買った方が圧倒的な画質に感動できるからです。でも既にZを使用しており28mmの画角が欲しい方、可搬性を重視する方などには本当にオススメできます。
最近ではZ9やZ8が発売され大柄ボディで超高性能なカメラも出てきましたが、僕がZ7で3万枚以上撮影してきた感想としてはシビアな使い方をしなければZ7やZ6で十分でしょう。現在となってはもはや巷に出ているフルサイズミラーレス機の中ではZ6やZ7は比較的小型軽量であり、そのようなカメラの特徴を活かすなら28mmや40mm(価格帯が違いますがZ26mmも)といったレンズは本当に良い選択になるでしょう。今回部活の合宿を前にZ28mmを購入しましたが、合宿中特殊な状況を除いてずっと28mm一本しか使いませんでした。作品向けというか、思い出を形に残すためにはこの上ないレンズだと思います。迷っているあなた、新品でも3万円程度で買えますよ。いかがですか?
・こういう人にオススメ
Z6やZ7、Z5、Z50等の比較的小型機種をお持ちの方・その場の雰囲気を記録したい方・仲のいい間柄の人物を記録したい方・本気撮影用に既にSラインレンズをお持ちの方・45~85mmのレンズを既に持っており35mmだと長いと感じている方
・こういう方にはオススメできない
作品を作ることにしか関心がない方・初めてのZレンズとして選択しようとしているカメラマニアの方
基本的に万人に勧められるカメラです。本当に買ってよかった。また28mmという画角について記事を書こうと思っているのでそれもぜひお楽しみに。また作例がもっと見たい方は僕のFlickrに飛んでいただければまだまだ作例が上がっていますのでぜひ。
では最後までご覧いただきありがとうございました。いつかZ7長期使用レビューも書けたらいいなと思っています。いつもはてなスター等での応援もありがとうございます。