おふとんの日常

blue-pink-sky’s diary

滋賀県は何もなくない!!

皆さん滋賀県と聞いて何が思い浮かぶでしょうか。まあ95%の人は琵琶湖って答えるでしょう。正解です。では琵琶湖以外は何があるでしょうか。あなたがもし滋賀県を観光するってなったら何を見るでしょう。

 

 

......ということで滋賀県へ行ってまいりました。滋賀県は小さい頃に大津の辺りは訪れたことがあったのですがそれ以外はちゃんと訪ねたことがなく、何があると聞かれても琵琶湖とせいぜい彦根城くらいしか思いつきませんでした。

 

滋賀県は県のサイトによると琵琶湖を中心に「湖西・湖北・湖東・湖南」の4つの地域に分けられています。

Dwww.pref.shiga.lg.jp

 

湖西は高島市という市が(初めて知りました)、湖北は米原市長浜市、湖東は彦根市近江八幡市といった市町村、湖南は県庁所在地である大津市をはじめ草津市守山市などがあります。

 

そして琵琶湖を囲むように鉄道網が存在し、(大垣→)米原から彦根近江八幡野洲草津、大津(→京都)というように湖の南側を東海道線が(そしてもちろん並走するように東海道新幹線が)、湖の北側(西と表現されていますが地理的にはどちらかというと北)は湖西線(山科~近江塩津)が走っています。そして米原から分岐して湖西線との分岐駅である近江塩津を通って敦賀、福井、金沢方面へ向かう北陸本線が湖北地域の交通を担っています。

 

 

実は1月に福井を旅したとき、福井から関西に向かってくる旅路の途中で湖西線を完乗し宿泊したことのなかった滋賀県内に宿泊していたのですが、このときの宿(快活)は有名な進学校のある膳所。ほぼ大津でありもっと言えばほぼ京都の都市圏なのであまり滋賀らしさを感じることはできず。今回は宿泊先が米原だったのでより滋賀を感じ(?)ることができました。

 

 

 

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<鉄道総合技術研究所 風洞技術センター Nikon Z7+FTZ+Tamron15-30mmF2.8VC>

 

(長いので折りたたみ)

 

事の発端は前々から計画していた伯備線遠征。関西住みの友人に誘われて伯備線へ行くことが決まったものの、僕はお金がなく新幹線は乗れなさそう。そこで諸々考えてみんな大好き青春18切符の旅を決行することに。集合場所が姫路に夜0時だったので、東京を昼出発し半日かけて向かいました。

 

東京1237▶▶熱海1426/1437▶▶浜松1716/1725▶▶豊橋1758/1802▶▶米原2009/2134▶▶姫路0004

 

このように米原で途中下車、夕飯を米原駅近くの来々亭で食べ一路西へ。

 

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<飛び出しくん(来来亭米原店前) Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

ちなみにこの日は前日の夕方16時から起きっぱなしだったので電車の中は基本的に爆睡。313系と225系のスーパーコンボで大層助けられました。伯備線の話はとりあえず置いといて、2日間の撮影を終え姫路駅まで送ってもらったあと、本当は姫路周辺のネットカフェで一夜明かす予定だったのですがもうあまりにも疲労困憊しており18切符も余っていたので帰れるところまでは帰って翌日の苦労を軽減する方向に。調べたらその時間からでも名古屋周辺まではたどり着けるようだったので、勝手(ほんのすこし)知ったる名古屋に向かうことに。

 

......という予定だったのですが、道中あまりの披露で電車酔いと体調が悪化。さすがに早く休んだ方がいいと判断し両親が予約してくれた米原駅前の東横インにin(寒)。ちなみに東横インは当たり前ですがinではなくてinnです。

それだけなら何もなかったのですが、予約してくれたプランは旅行支援プラン。つまり2000円分の地域クーポンが!!それなら使わない手はないということで翌日は電車を撮る予定を変更して観光することに。こんな機会ないと滋賀県なんて来ませんしね。

 

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<鉄道総合技術研究所 風洞技術センター Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

ということで冒頭の写真に戻るわけです。実は米原には古の新幹線試験車両が3両保存されています。鉄道技術の開発を行っている鉄道総研風洞技術センターには300X(955形・JR東海)、STAR21(952,953形・JR東日本)、WIN350(500系900番代・JR西日本)の3両の先頭車が鎮座しています。これは実は新幹線の車内からも見えるんです。僕が初めてこの存在を知ったのは小学生の頃、その手の図鑑でこれが車窓に見えることを知ってからは東海道新幹線に乗るたびに必ず注目して見ていました。そしていつかここを訪れてみたいと強く思ったものでした。

個人的には300Xがとても好きで、古いながらかなり造形のいいプラレールの300Xはいつか手にしてみたいとも思っていました。人によっては好みの分かれそうな見た目をしていますが(現に僕の身の回りにもこの顔が嫌いという人も見たことがあります)、このいかにも試験車という見た目がとても好みです。STAR21もカッコいいですが、新幹線というか特急車の出で立ちという感じですね。WIN350は新幹線車両として唯一900番代を名乗る車両ですが個人的にはここに保存されているのとは逆の顔の方が好みではあります。

何れにせよ小さい頃からの憧れだったこれら保存車両を間近で見ることができて感激しました。惜しむらくはフェンスが大変太く僕の機材のような大型機材では気軽に撮影できないところでしたが、あくまで我々マニアのために保存されているわけではない上に屋根付きのこれだけ素晴らしい環境で保存されていることに感謝です。保存状態はこの上なく良好に見えました。

 

この日は3月も中旬、朝方は雲が出ていましたがWBC決勝を見ながらホテルをチェックアウトした頃には陽射しが射しつつあり、冬用の格好をしていた僕にとっては暑いくらいの気温でした。

 

さて、この後どうしようかといつも無計画に旅をしている僕はここまで来て悩むことになりました。時間はだいたい12時前。終電(!)のことを考えるに16時には米原を出ないといけないのでそんなに時間は残されていない。しかし地域クーポンは2000円使い切りたい。そして観光もしたいしお昼ごはんも食べたい。和食が食べたい気分だったので地域クーポン使用可能なお店一覧から探し良さげなお店を検索......和食...そこそこの値段...和食...おいしそう...

 

 

 

 

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<蘭亭オムライス オムライス(デミグラスソース) Nikon Z7+FTZ+AF-S35mmF/1.8G>

 

さて、なぜか美味しそうなオムライスが目の前に!!

 

おいしそうでちょうどいい和食を探した結果、口コミの微妙なお寿司屋さんか僕の雑な格好では入りにくい割烹しかなかったのです。なので彦根に行くか長浜に行くかを悩み、比較的これからも行く機会のありそうな東海道線沿線の彦根ではなく一本入ったところにある長浜(米原から北陸本線で3駅)へ向かうことに。長浜市にあるクーポンが使えるお店を探していたら目に止まったのはオムライス屋さん。僕は生まれてからオムライス屋に入ったことがなく、評判の良さそうなオムライス屋だったので興味が湧いてここに入ってみることにしました。

 

tabelog.com

 

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<蘭亭オムライス Nikon Z7+FTZ+AF-S35mmF/1.8G>

 

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<蘭亭オムライス メニュー Nikon Z7+FTZ+AF-S35mmF/1.8G>

 

オムライスがだいたい1000円。昔ながらのオムライスという感じで近年の流行り?のとろとろ卵のオムライスではありません。僕はケチャップを+100円でデミグラスソースに変更して注文。

 

お味はと言うと、感動しました。人生初のオムライス屋がここでよかったと思いました。卵はふんわりしており少しだけ半熟(?)(←卵の半熟っておかしい使い方ですよねよく考えると)、味も程よくついておりデミグラスソースとの相性は抜群でした。3月中旬の平日だったと思いますが、お店はほぼ満席、人気なのも頷けるなという感じでした。しかも普通盛りを頼んだのですが結構ボリュームもありお腹も満たされました。

 

ということで本当はここで大盛りを頼み、この後甘味処に立ち寄り600円ちょっとのセットを食べてクーポンは消費されるはずだったのですが困ったことにオムライス普通盛りでお腹いっぱい、せめてと思ってドリンクセットを頼んだもののそれでもクーポンは500円以上余ってしまいました。これから甘味処に行くにせよお腹を空かせないとと思い、街歩きに繰り出すことに。

 

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<長浜市街地 Nikon Z7+FTZ+AF-S35mmF/1.8G>

 

長浜はオムライスに惹かれてやってくるまで知らなかったのですが、実は古くからの町並みの残る場所の一つ。黒っぽい見た目の古い建築物(江戸~明治時代の建造物らしい)がそこら中に立ち並び、観光名所となっているメインストリート以外もかなり雰囲気のある見た目。

 

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<長浜市街地 Nikon Z7+FTZ+AF-S35mmF/1.8G>

 

駅前の道もこのように見た目に工夫が凝らされた建物が並びます。ちなみに写していませんがこの写真の右手はセブンイレブンです。景観崩壊駅前で利便性もバッチリ!

 

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<長浜市街地 Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

市街地の中心には黒壁スクエアと呼ばれる複合施設が。本来行こうと思っていた甘味処はこの中にあります。そしてその黒壁スクエアの前の道はそのまま上の写真の商店街に進んでいきます。今回はこちらの商店街は時間的にパスしましたが、他の商店街を見た感じこちらもなかなか良さげなのかなと推察されます。

 

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<長浜市街地 Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

このようなちょっとお洒落な建物を横目に駅前の通りに戻り...

 

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<長浜駅前(えきまちテラス長浜) Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

そこそこ大きな商業施設が数軒並ぶ駅前に戻ってきました。

 

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<長浜駅Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

長浜の有名な街並みは駅の東側、つまり琵琶湖と反対側に存在しています。駅の西側はすぐ琵琶湖の湖畔となっています。ここには昔長浜城というお城が建っていたそう。さぞかし長めが良かったことでしょう。長浜城豊臣秀吉が築城したお城。この頃「今浜」と呼ばれていたこの土地をその際に織田信長の「長」を拝借し「長浜」と改名したらしい。その後長浜城地震による崩壊などを経験し、最終的に時代の流れ(と政治的権力の移り変わり)で廃城となったという。現在残されている建物は想像で建てられた復元天守で、元々の長浜城の資材は彦根城を建てる際に用いられたそうです。

 

ところでなんで僕が西口まで歩いてきたかというと、

 

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<長浜鉄道スクエア駐車場 Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

長浜駅西口には貴重な鉄道資料館、長浜鉄道スクエアがあるから(ちなみに上の写真では←が線路側で東、↑が南、全然ここからでは見えませんが→が琵琶湖のある西です)。

長浜は実は日本の中でもかなり初期に鉄道が開業した場所でした。琵琶湖上を船での輸送に頼り、琵琶湖の南・西側(大津~)と琵琶湖の東・北側を結ぶために長浜は交通の要衝となりました。

 

※※※ここから先どうでもいい電車の話が続きます!!!旅行記が読みたくて来てくださった方は ――― の位置まで飛ばしても大丈夫です!!!もちろん読んでくれても嬉しいです!!!※※※

 

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<旧長浜駅駅舎(長浜鉄道スクエア) Nikon Z7+Z50mmF/1.8S>

 

長浜鉄道スクエアのうち1棟は実は当時から用いられていた長浜駅の駅舎がそのまま使われており、これは現存する最古の駅舎となっています。もちろん古さは感じられますが、日本が近代化していく輝かしい明治時代の雰囲気を感じられます。

 

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<ED70 1, D51 793 Nikon Z7+FTZ+Tamron15-30mmF2.8VC>

 

長浜と鉄道にまつわる話は実はこれだけではありません。まず1つ、電化以前はこの地域の大変山がちの地形を克服するために様々な線形改良や機関車改良が行われた土地であるということ。

そして2つ、長浜駅を含む北陸本線は日本における電化方式の境界なのです。日本では基本的に直流電化が用いられています。しかし東北地方や北陸地方、九州地方などは交流電化で電化が行われました。その境に当たるのが北陸本線米原敦賀の間らへん。直流と交流を跨いで列車を運行するためには蒸気機関車ディーゼル機関車で運行するか、直流と交流を切り替えることのできる車両によって運行することが必要です。

北陸本線では東北地方での試験結果を基に初め交流電化が行われましたが、時代とともに電化方式の境は北上していき現在では福井県敦賀駅が切り替え駅になっています。

 

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<D51 793 Nikon Z7+FTZ+Tamron15-30mmF2.8VC>

 

長浜鉄道スクエア内に保存されている車両はどのようにこの土地と関わりがある車両なのでしょうか。まずかの有名なD51蒸気機関車。先ほども書いたように北陸本線の滋賀~福井区間は非常に山がちであり特に敦賀駅の北、南はどちらも当時全国有数の難所でした。そこで峠を超えるために重装備のD51が当時の敦賀機関区に配属され活躍しました。

 

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<D51 793 Nikon Z7+FTZ+Tamron15-30mmF2.8VC>

 

おおきな動輪。ちなみにD51のDは動軸の数(A,B,C,Dなので4)、51はテンダー機関車(10~49がタンク、50~99がテンダー)の形式1であることを表しています。こんなのも15-30だからこそ撮れる写真ですよね。みんなも買おう!

 

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<ED70 1 Nikon Z7+FTZ+Tamron15-30mmF2.8VC>

 

こちらはED70 1。こちらは交流電化に合わせて誕生した日本初の量産型交流電気機関車の1号機です。現存するのはこちらの1両のみとなっている大変貴重な車両です。

 

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<ED70 1 Nikon Z7+FTZ+Tamron15-30mmF2.8VC>

 

交流対応車両の特徴、パンタグラフのごちゃごちゃ感は比較的薄いかな?ちなみに碍子がどうたらなのは交流だと電圧が高くてなんちゃらかんちゃらが理由らしい。誰か物理に詳しい人連れてきてくれ。デカパンいいね。

 

ちなみに長浜鉄道スクエアは規模こそ大きくないものの貴著なビデオ資料なども多数展示(放映)されており、あまり展示を見るのが得意でない僕でもかなりのんびり見てしまうくらい面白い展示だったので是非近くに寄った際は訪れてみてください。特に先に上で述べた北陸本線の難所をどのように攻略していったのかについての当時の録画をベースに作られたビデオ展示はかなり面白かったです。時代・内容ごとに5章ほどにまとめられており、特に最後の廃線巡りはそこまでやるんだという感じで非常に興味深かったです。

 

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そんなこんな言いながら残っていた地域クーポンは駅隣接のモールのお土産店で地酒になりましたとさ。いよいよ時間は15時過ぎ、シンデレラはお家に帰らないといけない時間。

 

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<JR西日本681系0番代 W04編成 Nikon Z7+FTZ+Tamron15-30mmF2.8VC>

 

長浜の地まで都から走ってくる車両を見て北陸本線の電化の歴史を感じました681系は交直流電車だボケ。帰りは播州赤穂行きの新快速に揺られ米原まで。長浜は直流化され新快速が来るようになってから大層人の流れが創出されたそう。それを見て羨ましがった敦賀市自治体で多額のお金を出してまで直流化を推し進めたというのだから相当なもの。実際播州赤穂から敦賀まで1本の電車が結んでいるというのはにわかに信じ難いようなこと。その便利さに感謝しながら......僕は新快速を13分で下車し米原で乗り換えるのであった。全く恩恵にあやかれない関東民乙。

 

さて、まとめ。滋賀県は本当に何もないイメージでした信楽焼甲賀の忍者か琵琶湖か彦根城くらい。しかも県の半分くらい琵琶湖で陸地なんていくらもないような印象を持っていました。しかし実際に今回慌ただしくも滞在しすごくいいところだなと思いました。僕が訪れたのは琵琶湖の周縁の、しかもたった湖北地域の一部分ですが景色が綺麗だし混み過ぎないし思っていたのの1億倍見どころがある場所でした。感触としてはもちろん思い出バフもありますが訪れてきた都道府県の中では5本の指に入るくらい気に入りました。

 

もしあなたが今ちょっと旅行でも、と行き先に悩んでいるのなら僕は滋賀県をおすすめします。きっとあなたにも魅力的な何かが見つかると思いますよ。

 

 

 

 

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あとがき

 

お久しぶりです。1ヶ月ちょっと空いちゃったかな?こまめな更新を心掛けていたんですが普通に大学始まって無理でした。しかも気合い入れて長い記事書き始めちゃったからもうおしまい。この記事も書き上がるのに1ヶ月以上かかりました。あといま普通に5月病ちっくで結構困ってます。まーブログも気晴らしに書きたいなとは思ってます。前みたいに短い記事でも書こうかな。

また更新したら見に来てくださいな。記事を出してない間も訪問してくださった全ての方に感謝。もし訪問履歴が0、0、0...とかだったら心折れてやめてると思います。

というわけで今日はこんなところで。皆さん気温やら天気やら変だし5月は結構大変な時期だと思いますがくれぐれも体調にはお気をつけて。それでは。